カテゴリ:美術( 30 )
生誕100年 靉光展
五月晴れを受けて爽やかな皇居の緑を望む近代美術館。
そんな光景をまるで反転したような世界、靉光展を観に行く。
闇の中にあるただ一つの強いもの。
逃げたくなるような何か。衝動の塊。

初期にはルオーに影響されたキャラクターめいた作品や、油彩とクレヨンを混ぜたものなど
様々なタイプのユーモアのある作品も数多く見られたが、
個性が形成されるほど、その作品は闇に包まれて行く。

なのに最後に展示されていた肖像画に辿り着いて、それまで観ていて辛かったものが解放された。
戦争真っただ中に描いた自らの姿。
背筋をピンと伸ばして、少しだけ顔を上に向けて、じっと見つめる先には何が見えていたのだろう。



特に心に残った作品は、1934年の「葡萄」、1936年の「馬」、1940年の「花園」(下記画像)、
1941年の「蝶」「くちなし」「蛾」、1944年の「花」「自画像」。



切なく苦しい色の中に刻まれたその視線は、何時も見る人に向けて、
彼のそのひた向きな思いを光に変えてずっと残っていく、気がした。

印象深い展覧会でした。

***** 生誕100年 靉光展 *****
会期:2007年3月30日(金)~5月27日(日)
場所:東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/Honkan/AI-MITSU/index.html
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by qp-dw | 2007-05-13 00:00 | 美術
観音塚古墳金工ワークショップ
GW後半続き。高崎市八幡にある観音塚考古資料館にて。
「古代の金工に学ぶ」目的のもと、弥生時代に作られたアクセサリーをその当時の手法で作ってみよう、
という企画のワークショップが開催されました。



先生はお父上。ですが、もちろん私も一人の生徒として参加します。



これが見本。ワクワク。



まず直径3、4cmほどの正方形の真鍮にコンパスで丸を書く。
同じようにコンパスを減算で使って、ハートの下側のような形をつくります。



次に金属専用のハサミでアクセサリーの元となる形を切ります。
ハサミでできた歪な形を滑らかにするため、ひたすらヤスリ。



ドリルでチェーンを通すための穴を開けてもらったところでお昼休憩。
久々にお弁当を作ってもらってハッピー気分♪スタッフさんとの会話も楽しい。



作業再開。次は型抜きで一番外側一周分に、小さい丸を象っていく。
さっきのものより小さいサイズの型抜きで逆側からも叩き、凹凸をつける。
模様がついたところで、グラインダーで小さい丸に合わせて輪郭を削ってもらいます。
そしてまたひたすらヤスリ。好みでペーパーウェイトで磨きをかける。



これが完成品。輪郭がごつごつしてしまい、不細工気味。
他の生徒さんも皆奇麗な出来映えだったし、彼らを親にしてなんで私はこんなに不器用なのかが不思議なほど笑

でも普段Macとばかり向き合っている手を試行錯誤して動かす物作りは、とても楽しくたっぷりの充実感。

加えて、思ったよりも力仕事でヘトヘト。(ヤスリ過程で力の使い方を間違っているっぽいけど)
叩いたり、削ったり、...作品や物に込められた魂が育まれていく過程に触れ、改めて感動と敬意を覚えた。
次はミニ彫刻のワークショップにも参加してみたいなぁ。(希望!)



一汗流したあとは収蔵資料展も拝見。出土品と、破片を元にして作ったレプリカ、古墳の模型など。
文様の細密さや大刀、馬具など、地元近くで多くの文化遺産が出ていることに普通に驚く。
ボリュームあるので、一見をおすすめ。



帰りがけほど近くにある観音塚古墳に向かい、実際にここで生活していた人たちへの思いを馳せながら歩いた。
実は実家の近くにも小さな小さな古墳がある。
掘り返してしまうことはあまり好きではないけれど、
古代のご先祖様に学んで何かを作る、という行為はとても大事で、
形を変えてもそれらが元となって私たちの生活を形成していると思ったらなんだか面白く感じた。
昔の人たちの知恵や好奇心に感謝ですね。
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by qp-dw | 2007-05-04 00:00 | 美術
大回顧展モネ
国立新美術館デビュー。
3月にもらったチケットには間に合わず無念。モネ展を見てきた。


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建設されたばかりのコンクリートの広い館内には人がいっぱい。


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お目当ての作品は100点近く。第5展示室まで。
なんだか奇麗に作らなければ、と意識していたことを大切なのはそんなことではないと教えてくれた気がした。
なんせ点描なので離れてみないと全然見え方が違うのだ。
完成されきった絵が、近くに寄るととえらい雑に見えることもあるし、
逆に一見静かな絵に見えても、近寄ると何層にも重ねられた色の多さにびっくりさせられたりもする。


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空は青、雪は白、葉は緑。見えたものは色とりどりの感動でも、形にするときは決めつけがち。
それが教育によってなのか感性なのかはわからないけど。心で感じたことを形にするって難しい。
けれど写真にさえ正確に写らない光や煙、自分が見たもの(肉眼を通してだけでなく感じたもの)を
一生懸命形にしている。水面や木漏れ日が美しかった。

幸せを形にするには、その空間を如何に表現できるかにかかっていると思う。
例えば、何かを幸せだと思ったときに、感じた匂いや色は、後々になっても残っているものだ。
いつか感じたそんな幸せな気持ちを引き出せるお手伝いができたら...。そんな手をもってみたい。
モネの絵はそんな夢を描かせてくれた。


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特別に惚れた作品は2点。「かささぎ」(上記画像)と「ルエルの眺め」。
「ルエルの眺め」は人気がないみたいで、ミュージアムショップにポストカードさえにも置いてなかったけど、私の中では一番。仕方がないので図録を買って読んだところ、17歳のときに2人で絵画旅行に出かけて描いたものなんてエピソードを知って益々響いた。
この絵の中に入りたい、こんな絵が書いてみたい、難しいことよりも素直な気持ちでその作品にひたすら関心をもった。何度も戻ってぼーっと魅入ってしまった。


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その後六本木ついでということでミッドタウンにも参上。せっかくなのでデザインハブを鑑賞。
やっぱ古い電化製品は色も形もステキ。
なんで日本人はメタリックが好きなのかなー...(メルセデ○のまね?)
個人的に、車のデザインには昔の色や形を復活させてほしいところです。

***** 大回顧展モネ *****
会期:2007年4月7日(土)~7月2日(月)
場所:国立新美術館
http://monet2007.jp/

***** Good Design Good Life - 日本のデザイン *****
会期:2007年3月30日(金)~5月6日(日)
場所:東京ミッドタウン・デザインハブ
http://www.designhub.jp/
※現在は「日本のグラフィックデザイン:ジャグダ 1981~2006」を開催中。
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by qp-dw | 2007-04-15 00:00 | 美術
中欧の絵本・原画展(ムーゼの森)
眠い目をこすらせ朝っぱらから、佐久インターで降りて18号を上る。
野暮用で軽井沢に行ったので、帰りがけに絵本の森美術館に寄ってきた。
6300点の絵本を収蔵する1.5km2の敷地内は木に囲まれて、
第1・2展示室、絵本図書館、吉田文庫、絵本のお店とかなり見応えがある。


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まずベルクなる第1展示室で「欧米絵本のあゆみ展」を見る。
「アリス、グリム童話、ムーミン、ピーターラビット」など誰もが知る絵本の原画がたくさん。
「白雪姫」の版画なんてシンプルでとってもいい。ホーンブックもお洒落すぎ。
初版の「ちびくろさんぼ」がおっさんくさくて見るたび笑った。
幼稚園児が館内でなぜかタカ&トシは?と叫んでいたのにも笑った。


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時代が進むと、欧米の絵本黄金期の作品が並ぶ。
「はらぺこあおむし、ミッフィー、ブレーメンの音楽隊」に「ひとまねこざる」。

1950年代後半に入ると広告やグラフィックデザインという分野が絵本制作を取り組むようになり、
わかりやすく大胆な構図が導入されたそうだ。
「あおくんときいろちゃん、ハーメルンの笛吹き」など。
見比べると、"絵"ではなく、"絵本の中の1ページ"に色の役割が変わったことがわかる。
「三匹のやぎとがらがらどん」のセリフ文字を見て、そういえば日本語も明朝体だったなんてことを思い出したり、タイポグラフィを見てても面白い発見を。
(中の様子を1枚だけ公開。撮影禁止なのでよい子は真似しないでネ)


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次に第2のトゥルムでは企画展「中欧の絵本・原画展」を開催。
とっても興味があったので、思わず興奮。チェコ・スロヴァキア・ポーランド・ハンガリーの絵本が沢山。
時代に行われてきたことの背景によって、各々の国での絵本の役割が違うことがよくわかる。
それによって色や表情も大きく変わる。
小さい頃の記憶でも印象に残る色遣いが素敵な「あめとおんなのこ」を描いたクドゥラーチェクがチェコ人だったことも知った。17世紀に絵本誕生の場となった国。益々行きたい欲がまた高まる。
初めて目に入れたリトアニア出身のスタシス・エイドリゲビチュス「クレセント・ムーン」もとても印象的。
暗い水色と闇の世界で月がせっせと豆まき。独特の目が少し恐いのだけど、その内側にある優しさを感じる。
登場キャラにヨハンという名が出てくる絵本や「悪魔の水車」なんてタイトル、
特にスロヴァキアの絵本にはモンスターの話を連想してドキドキ。
欧米にはなかった少し背筋が張る感じと悲しさの中にある、強く暖かいキャラクターに心惹かれた。


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これは、ポーランドのヨゼフ・ヴィルコンの言葉の一部。
- イラストレーションはどのようにして制作されるのか? -
まず人や魚や、鳥、さらには葉っぱや動物は、どのように色彩したら
そのような動き方をするのか、知らなければない。
生きとし生けるもの全てのものは、昆虫のように走ったり、這ったり、
そろそろ歩いたり、泳いだりする。
たいていの人はここまでならたどり着けるが、
この先に行けるのは、1日中彩色の仕事に没頭できる少数の人だ。
こうした仕事があって初めて、鳥は歌い、悲しみや喜び恐れや勇気を表現することができる。
眠りや沈黙、果実の匂いや味覚を表現するためには、さらに先に進まなければならない。
あるとき私が「どうやったら絵がうまくなれるの?」と聞いたとき、
両親は揃ってヨゼフが言っていることと同じことを教えてくれた。
うまく作ろう、なんて思わずに「描くものをよく見なさい」と。
私はまだ一番始めにしなければならない"知ること"の段階にいるのだ。


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近年、"なんとなくかっこいいもの"に若者の評価が集まりすぎていると思う。
テクニックや発想や感覚には感動しても、作品自体に感動できないことが多い。
自分についても例外でなく、それを疑問視しながらも、憧れたり羨んだり。
作っているとき、"作っているもの"ではなく"作られるもの"を意識しすぎている、ことに気づく。

多分それをやっている限り"本物"に近づくことは永遠にできない。
わかっていながら、日常の狭く同人の密度が高い世界でのたうち回っていると余裕をなくしてしまう。
私の仕事はクリエイターであってアーティストではないから、相手あっての物作りであり流行りを追う事も必要だ。だから大衆に好まれるものを意識することは間違いではないのだけれど。


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ただ、好きなことくらいは・・・広い海を見ているときのように、大きな森を見ているときのように、
常に"自分という存在のちっぽけさ"を思い出して、余裕を持った取り組みをしたい、と思った。
目の前にある対象物をしっかりと見るために。
"人がどう見るか”でなく、"自分がどう見えているか"に集中するために。
今はまだコントロール下手だけど、"物"と"物に写る自分"に目を逸らさない強さを持てるようになりたい。


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そんなことも思いつつ、純粋に子供の頃に気持ちに戻りつつ。結構な見応えに少し疲れたけど、
とてもいい機会でした。ブラティスラヴァ世界絵本原画展にもいつか行ってみたいです。


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エルツおもちゃ博物館の方はお土産見物のみ。高くて買わなかったけどパイプ人形が可愛かった。


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長野をなめてた!と思うくらい寒い。まるでまだ冬のまま、木々も全く芽いていない中、
博物館とカフェを繋ぐ小道のシートに鳥の巣を見つけた弟。和む光景。(ちなみにこのとき都心は桜が満開)


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愛すべき「どろんこハリー」と、渋すぎるスナフキンが表紙の「ムーミン谷の11月」の英語版、
上に載せた「いやといったピエロ、あかずきんちゃん」などのポストカードをお土産に。

企画展もまだまだ長くやってます。お子様と一緒の方も、子供心に戻りたい方にもおすすめ。

***** 「中欧の絵本・原画展」=伝統の絵本芸術から生まれた幻想世界= *****
会期:2007年3月1日(木)-7月2日(月) 
場所:軽井沢 絵本の森美術館
http://www.museen.org/
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by qp-dw | 2007-03-31 00:00 | 美術
日本近代洋画への道
展覧会は高崎市タワー美術館にて「日本近代洋画への道」を鑑賞。
洋風なタッチを取入れようとするもの、日本画の良さを残そうとするもの。
近代に移り変わっていく時代なだけに、挑戦や迷いが入り交じったその作品たちはバラエティにとぶ。
気に入った作品は、荒木寛畝「春芳争研図」、 エドワルド・キヨソーネ「川上操六中将図」、
揚忠三郎「北野天神之図」、岡靖一「捜索」。


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ところで、時間を切り取ったような風景画が好きだなぁといつも思う。
なんていうか、絵の癖だけじゃなくって、その人が見ている世界っていうのが伝わってくるのがステキなんだ。
あと植物の絵。これもすごく語ってくれる。描いた人のそのとき対物に向かっていた気持ち。優しさや寂しさ愛しさ。勝手な解釈でもいい、感じられることが嬉しい。

広く人もまばらな館内でゆっくり鑑賞できご満足。

***** 日本近代洋画への道 *****
会期:2007年2月10日(土)~3月31日(土)
場所:高崎市タワー美術館

ちなみに別の週末に立寄りに失敗したクララデジレさんのイラスト展をメモ。
色使いがとても可愛い。また機会があったら行きたい。

***** クララ・デジレ 「オール・アバウト・クララ」 *****
会期:2007年 3月1日(木)- 27日(火) 
場所:ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート
http://www.claradesire.fr/
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by qp-dw | 2007-03-04 12:00 | 美術
新春展'07:猪
毎年恒例の干支にちなんだ父上プロデュースのインスタレーション。
身の回りにある素材と皆の手だけで作りあげるNTT群馬支店 YOU HALLの面白い企画です。


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実はきちんと観に行ったのは初めて。今年はうまく年始休みが連休に繋げられて実家に居られたからですね。
竜の年に写真で見てなんて素敵なんだろう...と思って以来、ずっと観たかった展覧会。


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今回は実家の木の切枝が、見事イノシシに化けていました。
今にもガラスの窓に突進してきそうな脈動感躍動感ある猪の体毛を不揃いな枝が型取る。まるでおっとこぬし乙事主さま!笑
こちらは2003の羊。綿から優しさと柔らかさが現れ、思わず微睡みそう。


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特別イベントには山崎氏のコントラバスとギターのセッション。
バラエティに富んだ演奏で、コントラバスの新たな音を拝聴しました。
後半のロシアの作曲家の音には、寒い土地や海の切なさや、
酒屋で上機嫌になる赤鼻のおっちゃんを頭の中で踊らせながら、夢心地。


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弦を弾いて始まる間奏曲「Inter mezzo from the opera "Geyescas"」アンコールなのです。


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前半日には、お抹茶のサービスを受けたり、作品を鑑賞したり、懐かしい美術家のお姉ちゃんたちと再会したり。沢山の方々とご挨拶できて嬉しかったです。

場所をかえて4人で焼き肉も。
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by qp-dw | 2007-01-06 00:00 | 美術
大竹伸朗展 全景1955-2006
今日は巷じゃクリスマスイヴ。夕方に起きて首都高で木場公園まで。
湾岸線に入る手前で苛々するほど混んでると思ったら、お台場出口待ち。
恐ろしや、デートスポット...


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現代美術館も今日は20時まで。ジャリおじさんサンタのクリスマス・カードが配布される。
1997〜2005のスクラップブックは観もの。いちいちおしゃれにまとめてあるのに感心。
気が遠くなるほどのデッサンと、コラージュと、写真と...
全てがいいとは思えなかったけれども、興味あることを一生懸命形にすることってステキなことですね。
2000点ほどの作品。常識に捕われることなく色んな素材をコラボさせていて面白かったです。
会場内では終日本人のDJイベントもあり、沢山の人がいました。


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せっかくのイヴなので、青山でお食事。締めのデザートもゴチソウサマ。


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***** 大竹伸朗 全景1955-2006 *****
会期:2006年10月14日(土)~12月24日(日)
場所:東京都現代美術館(木場公園内)/観覧料:1400円
http://shinroohtake.jp/
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by qp-dw | 2006-12-24 00:00 | 美術
江戸の誘惑 + 東京人生
ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」のを観に江戸東京博物館に行ってきました。
1684~1818年まで、北斎、歌川広重、喜多川歌麿など有名な浮世絵師たちの肉筆画が並ぶ。
約70点ほどの展示品から気に入ったものをピックアップ。
歌川豊春「向島行楽図」-遠近感を使って絵全体から時間の楽しさが伝わってくる。「墨田川渡舟図」墨と色の使い方。北斎の「鏡面美人図」-色気の表現。歌川広重「東都佃ノ漁船」-ぼんやりとした月がステキ、奥村政信「草子洗小町図」-布に描かれた植物と鳥の黒刺繍が渋過ぎです。竹田春信「見立江口・見立石橋図」-雲の象が面白い。「提灯絵龍虎」-カッコいい!けど少しでも下品さが出たらヤンキー色。「朱鐘馗図幟」朱色だけでよくもこの存在感。一筆斎文調「引手茶屋前の遊女」青い布が映える。


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中でも1番は北斎76歳の作品「鳳凰図屏風」、2番目は喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」、3番目は葛飾北斎、最晩期の作品「李白観瀑図」「月下猪図」に惚れた。
どれもすごい迫力。構図の取り方とかほんとに素晴らしい。
北斎の絵はどれも個性的かつバラバラで、前に若中を観たときに思ったように、よく見ると丸とか三角とか基本的な図で絵が成り立っている。
厚いのでまだ読破できてないけど、父上から借りっ放しの「北斎の絵手本」も改めて見たらきっと面白いはず。
勝川春林「三都美人図」なんかも面白かったです。ちなみに勝手に彼女たちの出身クイーズ!はハズレ。。意外に京都の女の人が一番スレてる感じだったのかしら!?
もちろん図録もゲット。


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ラッキーなことに併設でアラーキーの写真展もやっていて、こちらも拝見。題目は「東京人生」。
有名なのはアダルト作品だけど、彼が代理店にいた頃から撮り続けられている写真には、地元の路地など平凡な風景や花たちに彼の想いが刻まれていて、度々立ち止まっては魅入る。スニーカーの写真が印象的でした。
若かりし頃のドリフやビョーク、UA、浅野の写真もあったよ。


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いつものとおり夕方近くに着いたので、さほどゆっくりできなかったけど、常設展示室のミニュチュア東京や、時代劇の撮影場みたいな雰囲気、飛脚のレプリカに乗れたりなど、結構広くて一日楽しめそうでした。
子供さんがいる家族にもいいかもね。

***** ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展 江戸の誘惑 *****
会期:2006年10月21日(土)~12月10日(日)
場所:江戸東京博物館/観覧料:1,520円
http://www.asahi.com/boston/

***** 荒木経惟 -東京人生- *****
会期:2006年10月17日(火)~12月24日
場所:江戸東京博物館

ちゃんこをまたの機に、首都高にて両国→横浜まで一気にワープ、冬物を買い足し。
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by qp-dw | 2006-11-19 00:00 | 美術
ルソーの見た夢 + 光彩時空
11月連休初日は弟君とルソーに会いに行きました。
世田谷美術館は大学時代、家族でムンク展を観て以来。
作品と爽やかな天気と混雑を思い出すその場所は、変わらず木漏れ日が心地よい。

当の作品だが、私自身生を観たのはこれが初めて。
幻想的な構図、色使い、丁寧な筆のタッチ。その全てが、彼の世界(言うなれば展覧会の名前ともなっていた「ルソーの見た夢」)の中へと連れていってくれる。
いつまでも見ていたくなる物語の一部…そんな世界が小さいキャンバスに存在する。


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学校を出たわけでもなく役人として普通に働いてきた彼の描くそれらは、
遠近感がおかしかったり、矛盾を生じる構図や生き物のリアルさがかける作品ばかり。
でも恐らく不思議な魅力と個性があるからこそ人はその矛盾に疑問を持ち、追究したがる。
そして益々深いルソーの夢に落ちていく。

私も空がいつも夕方か朝方かわからなくなるような時間帯に見る暗さがかかっていることや、
人がとても小さく描かれていること、彼が本当はどの情景にいながらそれらを描いたのか、
どんな音楽を奏でていたのか、など進むごとに気になっていった。

私は「工場のある町」が一番好きだ。
魚眼レンズを逆に使ったような世界の中の屋根の赤い色と煙が本当に素敵だった。
「サン=ニコラ川岸から見たサン=ルイ島」、「夕暮れの眺め、ポワン・デュ・ジュール」のピンクがかった夕焼けの雲にもロマンチシズムを感じる。
それから「花」の色使いに情熱を、「ビッシュの肖像」には優しさを。手作り感たっぷりの額からも彼の精一杯の思いが伝わってくる。図録も一生モノになりそう♪


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子供の頃、誕生日会で一切お金のかかっていないプレゼントをくれた子がいた。そのビー玉とセロテープで作った置物?を見た皆は一瞬変な顔をしてたけど、ママンにはどんなプレゼントより素敵ねって言われた意味を幼いながらに素直に嬉しく受け取れたのを思い出したりした。
手作りって何より気持ちとその人を感じることができる暖かいもの。

その後実家にて、パレットで一度作った色は、二度と使わなかったという話を聞いた。
よく見ると植物ごとに一つ一つの緑が違う色。
パソコンでコピペやアンドゥが簡単にできてしまうグラフィックを作っているとつい忘れがちだけど、
その丁寧さとこだわりと楽しむことと、そして気持ちと…原点に近いようなこともルソーは教えてくれました。


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美術館を出て、まだ昇って間もない月にも、ルソーの世界を思い描きながら歩く。

本人の作品自体は23点。他はルソーに見た夢として100点以上もの展示が。
後半のブラックユーモアなどは全く興味が持てなかったけど、青木世一のキットは少し欲しいかも。
本当に沢山の人が影響され、色々な角度からルソーを思ったこともよくわかる、敬意を込めた美術展でした。

その後、上野へ。
余裕でいたら19時過ぎ。結局駐車しているうちに仏像展のシャッターを下ろされるハメに。
何を隠そうこれで2度目...(ただいま3度目の正直に挑戦するか迷い中)
代わりに「光彩時空」を見る。このイベントのせいか21時まで解放されていた上野公園をお散歩。
普段役所並みにきっちり18時には門が閉まるため、とても珍しい。


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正直照明の演出はあまりいいと思えなかったけど、国立博物館自体に写した古美術や邦楽ライブをまったり観るのは面白かったです。


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一満足したところで、お腹を空かせたまま関越にゴー。
暖かいスープに癒されて、改めて休日の安らぎを実感。いい休日でした。


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***** 開館20周年記念 ルソーの見た夢、ルソーに見る夢
アンリ・ルソーと素朴派、ルソーに魅せられた日本人美術家たち *****
会期:2006年10月7日(土)〜12月10日(日)
場所:世田谷美術館
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/

***** 光彩時空 *****
会期:2006年10月31日(火)〜11月5日(日)
場所:東京国立博物館(上野公園)
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by qp-dw | 2006-11-03 00:00 | 美術
告知:平出 豊作品展「漂と標 drift・sign」他
平出 豊作品展「漂と標 drift・sign」を以下のとおり開催いたします。

******* 平出 豊作品展「漂と標 drift・sign」 *******
会期:2006年10月7日(土)~15日(日)/午前10:00~午後18:00まで
画廊:ギャラリーART G 場所:群馬県高崎市新後閑町10-12

詳しくは「平出 豊 彫刻展ホームページ」よりご覧ください。展覧会案内状をご希望の方はこちらから。

会期が一週間程となっております。お見逃しなくどうぞ!
毎度ながらご都合のつく方は声をかけていただければご一緒いたします♪私は7日を予定。(次週も行くかも^^)

また9月22日より、数々の建築物を生み出している(株)阿部工房様の新社屋移転を記念して
「平出 豊 彫刻展」を開催しています。
白塗りの壁と大きな窓が素敵な新社屋です。ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。

******* (株)阿部工房新社屋移転記念 平出 豊 彫刻展 *******
会期:2006年9月22日(金)~27日(水)/午前10:00~午後17:00まで
場所:株式会社阿部工房 住所:群馬県高崎市江木町1657番地 
詳しくは「平出 豊 彫刻展ホームページ」よりご覧ください。

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
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by qp-dw | 2006-09-09 00:00 | 美術